Amvis Story
意思決定の早さに会社の成長を確信
「徹底的にやり切る」が自身のモットー
事業開発部 部長
吉村 政二郎
診療放射線技師として病院に勤めた後、不動産業界へ。友人と不動産会社を立ち上げ拡大させた後、医療業界に舞い戻る。現在は当社の事業開発部部長として、年間10施設以上の新規開設を先頭に立って牽引する。中長期的には新規事業にも携わることを希望。
事業開発部部長の吉村政二郎は、様々な人材が集まる当社でも突出した振り幅の経歴を持つ。診療放射線技師として循環器専門病院に勤めた後、未経験の不動産業界へ飛び込む。
友人と不動産会社を立ち上げ、10店舗まで支店を増やしたところで医療業界に舞い戻った。
現在は医療、不動産という2つの業界で活躍してきた経験を生かして事業開発に没頭する吉村。医心館の用地仕入れから建築引渡までを担当し、年10施設以上のオープンを牽引する。彼は当社の採用面接を振り返り、「社長の構想を実現する力と決断スピードに度肝を抜き、この会社は伸びると確信した」と語る。
そのときの気持ちは今でも変わらないばかりか、目標がより明確になったという。「学歴でも経歴でもなく、実績で評価してもらえる社風。とにかく徹底的に仕事をやり切ることにこだわり、当社を医療ヘルスケア業界でナンバーワンの会社にしたい」と意気込む。
吉村がこだわる「徹底的に仕事をやり切る」とは。
診療放射線技師から不動産の営業職に転身
吉村が最初に職を得たのは、循環器専門病院だった。診療放射線技師として1日10件弱の手術の助手を担いながら、血管撮影装置の操作や器具の準備などを行った。「救急搬送される患者さんは、1分1秒を争う状態。生死を分ける手術で間違えたり、もたついたりするなどもってのほか。緊張感をもって手術に臨んでいたし、普段から研鑽を積むようにしていた」。
入職して4年経ち業務の幅が広がるようになったころが最初の転機だ。
「病院で専門性を突き詰めても昇進できるのは技師長まで。高い意思決定に携われるわけではない。それなら全然違う仕事に挑んでみたい」。こう考えた。
あえて実績評価が厳しい職種にしようと、吉村が選んだのは不動産業界の営業職だ。転職の敷居が低く、未経験でも受け入れてもらえた。賃貸住宅紹介サイトに物件を掲載し、申込者に物件を案内して成約に導く仕事。そこで吉村はすぐに成果をあげる。
「お客様が求めている物件が分かり、同僚の倍くらい成約を獲得できた」。要領を得た彼は1年半後に友人と賃貸住宅紹介業の会社を創業した。同社でも、不動産業者として当たり前のことを他社よりも徹底して行うことで成果をあげる。
創業した会社は急成長し、3年で10店舗まで拡大した。吉村は取締役として営業や売上などを統括する立場になり、業績は順調であった。一方、新しい業務経験を得る機会が減ったこと、周囲と事業の方向性が違うことなどにフラストレーションが折り重なっていった。
そんなとき、親が終末期の癌で入院し、頻繁に病院を訪れるようになる。「久しぶりに病院に行くと、医師や看護師が親身に接してくれ、やっぱり医療はいいと昔を思い出した」と語る。入院中の親からも「医療で働いていた頃が自慢だった」と繰り返され、医療業界でもう一度働きたいという気持ちが膨らんでいった。
吉村は、仕事において「やりがい」や「面白さ」を重視するタイプだ。程なく取締役を任されていた会社を辞職してまで、医療・ヘルスケア業界へ転職することになる。
社長の構想実現力や決断の早さに驚愕
その後、エージェントに誘われ当社の採用面接を受けた。「面接で社長と出会い、創業の経緯を聞くうち、これまで経験した組織のトップとは構想の実現力や決断の早さが各段に違うことに驚いた」と吉村は述べる。
構想を思い描くだけなら誰にとっても簡単。この会社は新しいアイデアを形にするだけでなく、収益を得ながら永続させるという高いハードルを超えるために、地道な努力を重ねていると気づいた。しかも意思決定が早い。フラットな組織で、社長が自ら指示を出しながらスピード感を持って物事を進めている。
組織はトップで決まる。自身も会社を立ち上げた経験からそう痛感する吉村は、「この会社は伸びる」と直感したという。当社で自分の腕を試したいと考え、すぐに彼は入社したい旨を申し出た。
こうして当社に加わった吉村は現在、事業開発部部長として医心館の用地仕入れから建築引渡までを担当している。新規施設のオープンに伴い会社は急拡大してきた。彼が入社した2017年夏ごろは従業員数200人、施設数10施設であったのが、2021年夏には従業者数1,737人、施設数42施設まで増加。その数はますます増えている。
彼が仕事で大切にしているのは、「徹底的にやり切ること」だ。それによって年間10施設以上の医心館オープンを先頭に立って実現させている。
例えば開設候補地の選定。不動産会社、建築会社、ハウスメーカー、銀行など様々な企業に営業に出向き、候補地を紹介してもらえるよう依頼して回った。一つひとつ足で稼ぐ営業に加えて会社の成長もあり、月100件に上る案件を紹介してもらっている。5年ほど前は月10件程度であったため、紹介数は10倍にも増えた。
紹介してもらった案件は全て調査し、しかるべき見解を必ず返す。近場であれば1週間以内に現地を確認。案件数が多くても紹介元への“礼儀”は欠かさない。
中でも確度の高い案件については、現地に何度も足を運んで様々な側面から検討する。近くにどんな店や施設があり、雰囲気や治安は良いのか。駅から徒歩何分か、通勤時間帯に道路はどのくらい混むのか、駐車場は確保できるか――。医心館職員、入居者様、ご家族の気持ちになって検証し、医心館にふさわしい土地か否かを見極める。
「医心館のニーズが高いエリアであって、土地条件や経済条件が良く、職員や入居者様・ご家族にとって利便性が高い場所でなければならない。それら全てを満たす物件を見つけるのが一苦労」と吉村は説明する。オーナー等との交渉では、良い条件を引き出し、スピード感を持って開発できるよう粘り強く働きかけている。
開設施設の高稼働に手応え、次の新規事業にも意欲
「徹底的にやり切る」を大切にした事業開発によって、医心館は各地で稼働し、地域医療の活性化に貢献している(参照:全国の医心館)。吉村は、「開設後に満床稼働と聞くと、土地の選定は間違っていなかった、汗を流して頑張って良かったと手応えを感じる」と話す。
事業開発部の仕事は、上場やホスピス事業の拡大と共に様変わりしてきたという。
2019年10月に上場してからは会社の成長性、収益力が株式市場で評価。時価総額が1000億円を超えたあたりからは、不動産会社や大手デベロッパーが積極的に当社へ案件を紹介してくれるようになった。
さらに「開発スキームが多様化した」と吉村。以前は開発コストの負担が軽い建貸が主流だったが、財務基盤の安定化に伴い、借地または土地購入で施設を自社で建てる案件が増えた。リート(不動産投資信託)を使った開発の提案を受けることもある。
業務量の増大に伴い、部署は人員を増強している。「今後は医心館の建物標準化にも着手していきたい」と吉村は話す。
中長期的には、ホスピス事業に加えて新規事業にも携わり、収益を上げる次の柱となるよう最後までやり切るつもりだ。「当社は、やる気さえあれば仕事を任せてもらえる。仕事好きな人が集まっていて、アイデアがあれば、それを具体化するために議論し合い、協力してくれる。この会社でなら挑戦していける」。
そうして、「この会社を医療ヘルスケア業界でナンバーワンの会社とすることが目標だ」と吉村は続ける。